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グリコの菓子320個のはずが「3200個」到着!「誤発注」はキャンセルできない?

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東芝が導入する管理職の「社長信任投票」――「法の想定外」の仕組みが機能するには?

巨額の不正会計問題を受けて、東芝がガバナンスの強化に向けて動き出した。社長を指名する指名委員会を社外取締役のみで構成するように変更するとともに、執行役や事業部長など上級管理職約120人による社長の「無記名信任投票」の制度を導入することが発表された。

社長信任投票は、報道によると、「経営トップとしての対応、法令遵守の姿勢に問題ないか」などについて投票を実施するというものだ。否定的な回答が多数(おおむね20%以上)の場合、追加調査する。投票結果は、指名委員会だけが把握し、社長を再任指名する際の参考にするという。

株主による経営監視ではなく、企業内部の信任投票であるため、実際にどれだけ機能するのか注目されている。この制度を有効に機能させるためには、何が必要なのだろうか。コーポレートガバナンスの問題に詳しい熊谷真喜弁護士に聞いた。

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<日本の難民2>健康保険に入れず医療費は全額負担「仮放免」に苦しむロヒンギャ男性

関東地方のほぼ中央に位置する群馬県館林市。毎夏のように全国最高気温を観測し、「日本で一番暑いまち」として知られている。人口約7万7000人。この地方都市には、ミャンマー政府から「迫害」に遭って逃れてきたイスラム少数民族「ロヒンギャ」が約200人暮らしている。

ミャンマーは仏教徒が多数派を占める国だ。少数派であるイスラム教を信仰するロヒンギャの人々の多くは、西部のラカイン州に住み、仏教徒と共存・対立を繰り返してきた。1970年代から、ミャンマー政府による迫害が激しくなり、大量の難民が発生。現在は、イスラム教徒が多い隣国バングラデシュからの「不法移民」として扱われ、100万人以上が無国籍の状態にある。そのうちの一部が日本に逃げてきている。

館林市に住んでいるのは、1990年代のミャンマー民主化運動以降に逃れてきた人と、その家族たちだ。彼らは日本政府に難民申請をおこなったが、ほとんどの人が「難民」として正式に認められていない状況にある。彼らはどんな生活をして、何に悩んでいるのか。弁護士ドットコムニュースの連載企画「日本の難民」の2回目では、館林市のロヒンギャをたずねた。(取材・構成/山下真史)

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ネットで流行る「修羅の国・福岡」の書き込み 「福岡県民」は削除を要求できるか?

暴力団の抗争など、物騒な事件のニュースがときどき伝えられる福岡県。ネット上では、そんな福岡県について、虚実ないまぜの情報で盛り上がることがある。たとえば、漫画『北斗の拳』で描かれる荒廃した世界にたとえ、「修羅の国・福岡」と呼ばれたりすることもある。

こうした書き込みに対して、地元の人の中には「報道された一部の事件で騒がれて、福岡県全域が悪いところのように思われている」と不快に感じている人もいるようだ。冗談半分とは言え、たしかに生まれ故郷を茶化されているわけだから、楽しい気分になれない人がいても当然かもしれない。

それでは、「修羅の国」との書き込みを不快に思った地元住民たちは、掲示板やまとめサイトに対して書き込みの削除を請求することはできるのだろうか。あるいは、そう書き込んだ人に対して慰謝料を求めることはできるのだろうか。福岡県で活動する中島繁樹弁護士に聞いた。

●「修羅の国・福岡」との書き込みの削除を求めることはできない

「長年にわたって、福岡県内の暴力団の動きを見てきた弁護士としては、ついにこのようなネーミングが広まるようになったかと同感する気持ちと、そこまでメチャクチャでもあるまいにと反発する気持ちとがあります」

中島弁護士はこのように率直な心情を明かす。そのうえで、ネット上の『修羅の国・福岡』という書き込みの削除を求めることができるかについて、次のように説明する。

「言うまでもないのですが、このような書き込みの削除を求めることはできないのです。削除してくれとネットに書き込むことはもちろん自由にできますが、そのサイトの運営者に対して削除を求めても何の対応もしてもらえないという結果になることも明らかです。

裁判所に対して削除を求める訴えを起こすという手段がないわけではないですが、勝算はありません。もちろん、慰謝料の支払いを求めることもできません」

中島弁護士によると、過去の裁判例には次のようなものがあるという。

「およそ名誉毀損罪(刑法230条)または侮辱罪(刑法231条)は、ある特定した人または人格を有する団体に対して、その名誉を毀損しまたは侮辱することによって成立する。すなわち、その被害者は特定していることを要し、単に東京市民または九州人というような漠然とした表示によって本罪が成立するものではない」

●「福岡県民の一人として、そんなネーミングはお断りしたい」

このように、「修羅の国・福岡」という書き込みだけでは、削除請求は難しく、被害者を特定できないので刑事事件としても成立しにくいということになりそうだ。だが一方で、中島弁護士は福岡県出身者として、「やはり不快だ」と話す。

「私は福岡県で生まれて、福岡県で育ち、福岡県で弁護士を開業して36年になります。よりによって、わが故郷福岡が、『修羅の国』などという大げさな呼び方をされなければならない正当な理由は、あるはずがありません。

ひとつの県に5つもの大暴力団があって、それが現に殺し合いを数年にわたって続けているからといって、普通の福岡県民の日常の生活に特別の不安があるわけではありません。福岡県全域が地獄みたいなイメージは、県民の一人として、不愉快です。そんなネーミングはお断りしたいと思います」

ネット上ではほかにも、群馬県を「未開の地・グンマー」と呼ぶ流行があり、これを聞いた大澤正明群馬県知事が「未開の地ならこれから発展できる県だ」と切り返したというが、故郷をネタにされて本心から気分の良い人は少ないだろうから、冗談もほどほどに、ということかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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サッカーJ1町田ゼルビア、選手だけでなく「クラブ」に対する中傷にも法的措置 どんな投稿が問題になる?

サッカーJ1のFC町田ゼルビアは10月中旬、SNS上でクラブや所属選手に対して誹謗中傷した相手を刑事告訴した。個人だけでなく、クラブに対する誹謗中傷も罪に問いたい考えだ。団体に対する中傷は法的に問題となるのだろうか。

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楽曲「無断利用」は1曲1500万円!? ネット動画で「BGM」を使うときの注意点

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なぜ2人は電車にはねられたのか? 「いつか事故が起きる…」地域住民が不安視していた“危険な踏切” 現地ルポ

兵庫県神戸市垂水区の踏切で1月9日、女性2人が電車にはねられ死亡した。踏切のすぐ外側には車道を渡るための横断歩道があり、地元メディアは、2人が誤って踏切内の遮断機の内側で歩道の信号待ちをしていた可能性もあると報じた。

これに対してネット上では「この踏切は慣れた人でも渡るのが怖い」などの声が集まっているが、実際どんな踏切なのか。記者が現場を訪れると、想像を超えた危険性が見えてきた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

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連れ子に対する虐待はなぜ起こるのか? 母が「簡単にSOSが出せない」事情とは

大きな社会問題となっている子どもへの虐待。この数年、目立つのがパートナーの連れ子に対する虐待だ。

度重なる虐待を受けて女児(船戸結愛ちゃん、当時5歳)が亡くなった「目黒女児虐待事件」(2018年3月)。2019年9月には、さいたま市の教職員住宅で小学4年生の男児が、母の再婚相手に殺害される事件も発生した。

この他にも、母の交際相手や実の親ではない同居する男性に虐待を受けたり、殺害されたりする例は少なくない。なぜ連れ子に対する虐待はなくならないのか。子どもの虐待・ネグレクトの防止を目的とするNPO「チャイルドファーストジャパン」の理事長を務める山田不二子医師(内科医)に詳しい話を聞いた。(福田晃広)

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危険運転は「あいまい」、悪質事故の遺族が法務大臣に要望 速度とアルコール濃度に「明確な数値基準」求める

法制審議会で検討されている自動車運転処罰法の改正をめぐり、悪質な交通事故の被害者遺族でつくるグループは3月28日、法律上の「危険運転」の類型に、速度とアルコール濃度に関する明確な数値基準を追加するよう求める要望書を鈴木馨祐法務大臣と法制審議会・刑事法部会に提出した。

要望書を提出したのは、「高速暴走・危険運転被害者の会」。これに先立って、東京・霞が関で記者会見を開き、出席した遺族は「信じられない速度でも危険運転にしてもらえなかった。遺族が納得のいく形に少しでも近づいてほしい」とうったえた。

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「貧乏人だけの問題じゃない」生活保護裁判の原告が訴え 最高裁判決後も「差額分支払い進まぬ」現状に怒り

2013年に国が生活保護費の基準を引き下げたことを違法と判断した今年6月の最高裁判決を受け、厚生労働省では有識者による専門委員会が対応を検討している。

しかし、支給されるはずだった差額分はいまだに支払われておらず、裁判を闘った原告は「これは貧乏人だけの問題だけではないことを知ってほしい」とうったえている。